32歳。飲食店で働いて7年。
仕事そのものが嫌いなわけではありません。 忙しい時間をみんなで回しきった時には達成感もあるし、 お客さんから直接「おいしかった」と言ってもらえるのも嬉しい。
だから、「もう辞めたい」と思っているわけではありません。
ただ最近、少し違うことを考えるようになりました。
この働き方を、40代、50代になっても続けられるだろうか。
立ち仕事。シフト勤務。土日も仕事になることがある。 今はまだできる。 でも、あと20年となると少し想像しづらい。
そんな時、店のWebサイトを作り直す話が出ました。
制作会社から出てきた金額を見て、 「Webサイトって、こんなにするんだ」と思ったのがきっかけです。
もちろん、その金額がそのまま作る人の収入になるわけではありません。 それでも、それまでほとんど知らなかった 「Web制作」という仕事が少し気になり始めました。
転職したいと決めたわけではない。 でも、このまま飲食だけで働き続ける以外にも道はあるのかもしれない。
このケースでは、今の時点で考えられる3つの選択肢を比べてみます。
CASE SUMMARY
仕事は嫌いではない
飲食の仕事にはやりがいもあり、人間関係にも大きな不満はありません。 「嫌だから辞めたい」というケースではありません。
体力面が少し気になり始めた
32歳の今は働けていても、 同じ働き方を40代・50代まで続けられるかは分かりません。
Web制作が少し気になっている
店のWebサイト制作をきっかけに、 これまでほとんど知らなかった別の仕事に興味を持ち始めています。
このケースの3つの選択肢
「飲食を続ける」と「今の働き方を続ける」は同じではない
このケースで最初に分けて考えたいのは、 「飲食を続けること」と「今と同じ働き方を続けること」は別 だということです。
飲食業界に残ったとしても、 ずっと同じ店舗で、同じ立ち仕事を続けるとは限りません。
経験を積んだ先には、たとえば次のような仕事があります。
- 店長
- エリアマネージャー
- 本部職
- 商品開発
- 教育・研修
- 採用
- 店舗開発
「立ち仕事をあと20年続けられるか不安」 だからといって、 すぐに「飲食業界から出なければならない」とまでは限りません。
選択肢1|飲食でこの先の働き方を考える
7年間続けてきた経験は、 別の働き方を選んだからといってゼロになるものではありません。
むしろ最初に確認したいのは、 今まで積んできた経験を使いながら、働き方だけ変える道があるか です。
今の会社では、次のようなことを確認できます。
- 店長より先のキャリアがあるか
- 本部勤務へ移る道があるか
- 40代・50代の社員はどんな働き方をしているか
- 給与はどこまで上がるのか
- 現場から別職種へ移った人がいるか
あわせて、他社の飲食求人を見るのも一つです。
同じ「飲食店勤務」でも、 会社が変われば休日、給与、勤務時間、キャリアパスは変わります。
ポイント: 「今の会社に残るか、ITへ行くか」ではなく、 「飲食の中にも別の働き方があるか」を先に確認しておくと、 選択肢を必要以上に狭めずに済みます。
選択肢2|働きながらWebサイトを一つ作ってみる
Web制作が気になっているなら、 いきなり転職する必要はありません。
スクールへ申し込むことすら、 まだ先でもいいかもしれません。
まず、一つ作ってみる。
たとえば、こんなサイトでも十分です。
- 架空の飲食店サイト
- 好きな店を紹介するサイト
- 今の店を想定した店舗サイト
- 自分のプロフィールサイト
HTMLやCSSを触ってみる。 画像を配置してみる。 スマホでも見られるようにしてみる。
そこで、 「これ、思ったより面白い」 となるのか。
それとも、 「見るのは好きだけど、作るのは違うな」 となるのか。
これは実際に触ってみないと分かりません。
独学かスクールかは、その後でもいい
最初の確認段階なら、 無料教材や入門教材から始める方法もあります。
少し触ったうえで、 「もっとちゃんと学びたい」 と思ったらスクールを比較する。
逆に、一人だと続けにくいから、 最初から学習環境を買った方が進めやすい人もいます。
先に確認したいこと: スクールに行くべきかどうかより、 まず「Web制作を自分でもう少し続けてみたいと思えるか」を確認します。
選択肢3|Web制作以外のIT職も調べてみる
店のWebサイトをきっかけに、 Web制作という仕事を知った。
でも、ここで一度候補を広げてみる方法もあります。
IT・Webの仕事は、 Webサイトを実際に作る仕事だけではありません。
たとえば、
- Webディレクター
- Webマーケティング
- ECサイト運営
- SNS運用
- カスタマーサポート
- IT営業
- システム運用
など、さまざまな仕事があります。
そして、飲食店で7年間働いてきた経験が、 意外なところで使える可能性もあります。
- 接客
- 売上管理
- 新人教育
- 店舗運営
- クレーム対応
- 忙しい時間帯での優先順位判断
職種が変わったからといって、 これまで身につけたものが全部なくなるわけではありません。
考え方: 「未経験だから全部ゼロから」ではなく、 「これまでの経験を持っていける仕事は何か」で探してみると、 違う候補が見えてくることがあります。
3つの選択肢を比べる
| 選択肢 | 今の経験を活かしやすさ | 始めるハードル | 変化の大きさ | 最初にできること |
|---|---|---|---|---|
| 飲食でこの先の働き方を考える | 高い | 低い | 小〜中 | 社内キャリア・他社求人を見る |
| Webサイトを一つ作ってみる | 中程度 | 低い | 中程度 | 無料教材などで実際に作る |
| Web制作以外のIT職も調べる | 職種による | 低い | 中〜大 | 職種情報・求人を見る |
このケースなら、まず何から確認する?
このケースなら、 まだ「飲食に残るか、Web制作へ転職するか」 を決める段階ではなさそうです。
先にやっておきたいのは、
今の仕事の先を知ること。
気になっている仕事を実際に少し触ること。
この2つです。
たとえば休日に、 Web制作の入門教材を一つやってみる。
同時に、 今の会社で40代・50代の社員がどんな働き方をしているのか確認してみる。
他社の飲食求人も見てみる。 IT・Web系の求人も少しだけ見てみる。
そこまでやって初めて、
「飲食を辞めたいわけじゃなかった」
のか、
「やっぱり別の仕事を試してみたい」
のかが、今より少し見えやすくなります。
CASE 003
「あと20年続けられる?」と思った時点で、転職を決める必要はない。
今の仕事が嫌いではないからこそ、 判断は難しくなります。
だから、 「辞める理由があるか」 だけで考えなくてもいい。
今の道の先に何があるか。
別の道には何があるか。
両方を少し見てから選んでも遅くありません。
Web制作が気になるなら、まず一つ作ってみる。
飲食を続ける可能性があるなら、 その先の働き方を調べてみる。
今すぐどちらか一つに決めるより、 選べる道を一つ増やしてから考える。
このケースでは、それが最初の一歩になりそうです。

