会社を辞めたい理由は、特にない。
人間関係は悪くない。
残業もそこまで多くない。
給料にも、大きな不満はない。
それでも、3年前から転職サイトを見ている。
気になる求人を保存して、口コミを調べて、
「ここ、いいかも」
と思うこともある。
でも、応募した会社は0社。
日曜の夜になると、 「そろそろ動いた方がいいかな」と思う。
月曜になると、いつも通り会社に行く。
それを3年間繰り返しているケースです。
このケースで見るポイント
3年間、どんな求人に
繰り返し惹かれてきたか。
求人を見続けるだけで、
新しい判断材料は増えているか。
本当に転職したいのか、それとも
外の選択肢を持っていたいのか。
このケースの3つの選択肢
Xの「第2回やめどき診断」では、今回の状況から次の3つを選択肢として考えます。
このケースで気になるのは「不満」より「3年間続いていること」
今回のケースには、会社を辞める明確な理由がありません。
人間関係が悪いわけではない。
残業が極端に多いわけでもない。
給料にも大きな不満はない。
それだけを見るなら、
「無理に転職しなくてもいい」
と考えることもできます。
一方で気になるのは、
転職サイトを見る状態が3年間続いていることです。
数週間だけ何となく求人を眺めたのとは少し違います。
3年間、
- 求人を見る
- 気になる会社を保存する
- 口コミまで調べる
- でも応募はしない
というところで止まり続けています。
このケースでは、 「転職した方がいいか」を先に決めるより、
なぜ3年間、外を見続けているのか。
を確認した方がよさそうです。
まず、保存した求人を5件だけ見返してみる
3年間求人を見てきたなら、 これまで保存した求人そのものが判断材料になります。
最近気になった求人を5件ほど選んで、
- なぜ保存したのか
- 今の会社より良いと思ったところはどこか
- 逆に、その会社へ移るのが不安なところはどこか
- その条件は今の会社では手に入らないのか
を確認してみます。
たとえば、 年収が高い求人ばかり保存しているなら、 本当に気になっているのは転職そのものではなく、 今後の昇給かもしれません。
リモート勤務の求人ばかりなら、 変えたいのは会社ではなく働き方かもしれません。
今とは違う仕事内容ばかり見ているなら、 今の仕事に物足りなさを感じている可能性があります。
「どこへ転職したいか」より、「何を変えたいから求人を見ているのか」を探します。
① 今の会社に残る場合
今の会社に残ることは、 このケースでは十分あり得る選択です。
勤続9年で、人間関係も悪くない。 残業もそこまで多くなく、 給料にも大きな不満はありません。
転職すれば、 今ある働きやすさを失う可能性もあります。
残るメリット
- 今の人間関係や働きやすさを維持できる
- 勤続9年で築いた社内での信用や経験を活かせる
- 転職による環境変化のリスクを取らなくていい
- 新しい会社で仕事や人間関係を一から作る必要がない
残る前に確認したいこと
- 今後の昇給や昇進の可能性
- 新しい仕事を任される可能性
- 異動や担当変更で気になる部分を変えられないか
- あと3年残ったときに何が増えていそうか
特に今回のケースでは、 「会社が嫌ではない」ということと、 「この会社にこれからもいたい」ということを分けて考えたいところです。
残るなら、何となく残るのではなく、今の会社に残る理由を確認しておく。
それだけでも、同じ迷いを繰り返しにくくなります。
② 保存した求人を整理する場合
まだ応募するほどではないと感じるなら、 まず過去の求人を整理する方法があります。
今回のケースでは、 3年間のうちに何度も 「ここ、いいかも」 と思っています。
その求人には、何か共通点があるかもしれません。
- 今より年収が高い
- 仕事内容がおもしろそう
- 働く場所や時間が自由
- 会社の規模や雰囲気が違う
- 今より先のキャリアが見えそう
同じ理由が何度も出てくるなら、
それが今の会社に対して感じている小さな違和感かもしれません。
そして、その不足が社内で解決できるものなら、 転職しないという選択もできます。
「転職サイトを見ている=転職したい」とは限りません。
保存した求人を見返すことで、会社を変えたいのか、仕事内容・年収・働き方など一部の条件を変えたいのかを分けて考えられます。
求人そのものより「選択肢がある感覚」が欲しいこともある
気になる求人を保存しているのに、 応募はしない。
そして、その求人の募集が終了すると、
「あ、終わっちゃった」
と少し惜しく感じる。
でも、 本当にその会社へ行きたかったのかと聞かれると、 そこまでは分からない。
そんなこともあります。
この場合、 求めていたのは求人そのものではなく、
「今とは違う場所も選べる」という感覚
だった可能性もあります。
今の会社に少し迷いがあっても、 「いざとなれば外にも行ける」と思えることで安心する。
それなら、求人を見ること自体に意味がなかったわけではありません。
ただ、
求人を探しているのか、選択肢を持っている安心感を探しているのか。
ここは一度分けて考えてみたいところです。
③ 一社だけ応募してみる場合
3年間調べても同じところで止まっているなら、 情報の取り方を変える方法があります。
その一つが、 一社だけ実際に応募してみること です。
ここでの目的は、 転職を決めることではありません。
求人サイトを見ているだけでは分からない、
- 自分の経歴で書類が通るのか
- どんな経験が評価されるのか
- どんな会社が自分に興味を持つのか
- 実際に話を聞いて、その会社へ行きたいと思うのか
- 今の会社と比べて本当に条件が良いのか
を確認できます。
3年間求人を見ていても、 この部分は分からないままです。
応募するメリット
- 外から見た自分への反応を確認できる
- 求人票だけでは分からない仕事内容や条件を聞ける
- 自分が本当に転職したいのかを確認しやすくなる
- 今の会社との比較が具体的になる
ただし、応募したら転職しないといけない?
応募することと、 転職を決めることは別です。
実際に外を見てみた結果、
「今の会社、思っていたより悪くないな」
と感じる可能性もあります。
それも十分な判断材料です。
一社応募する目的を「転職すること」ではなく、「比較できる情報を一つ増やすこと」に置く。
そう考えると、求人を見るだけの状態とは少し違う情報が得られます。
3つの選択肢を並べてみる
| 選択肢 | 得られるもの | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 今の会社に残る | 今の働きやすさや、勤続9年で積み上げたものを維持できる | 3年後も同じように求人を見続けていないか確認したい |
| 保存した求人を整理する | 自分が本当に変えたい条件を見つけやすい | 整理するだけで終わり、また求人を見る状態に戻らないようにする |
| 一社だけ応募する | 外から見た自分への実際の反応や条件が分かる | 応募することと、転職を決めることを同じにしない |
このケースなら、まず何から確認する?
このケースでは、 今すぐ会社を辞める必要があるとは言い切れません。
今の会社に大きな不満があるわけではないからです。
ただし、
3年間ずっと外を見続けていることは、そのまま無視しなくてもいい材料です。
まず確認したいのは、
- 保存した求人には、どんな共通点があるか
- その条件のうち、今の会社で変えられるものはあるか
- 応募しない理由は何なのか
- このままあと3年、同じように求人を見る状態でもいいと思えるか
この4つです。
そこで今の会社に足りないものが見えれば、 まず社内で変えられないかを考える。
それでも同じところで止まるなら、 一社だけ応募して外からの反応を確認してみる。
3年間求人を増やしてきたなら、次は「見る以外の情報」を一つ増やす。
そんな進め方ができるケースです。
CASE 002
「転職するか」ではなく、「3年間なぜ見続けているか」を確認する。
今すぐ転職を決める必要はありません。
ただ、3年間同じように求人を見るだけで答えが出ていないなら、 今までと同じ情報収集を続けるだけでは、判断材料もあまり変わりません。
保存した求人を見返して、自分が何に惹かれているのかを確かめる。
それでも同じところで止まるなら、一社だけ応募して外からの反応を見る。
転職するかどうかは、そのあとで考えることもできます。
