資産形成を始める前に、まず整理しておきたいこと

「そろそろ資産形成を始めた方がいいのかな」

30代になると、NISAや投資信託、株式、積立といった言葉を見る機会も増えてきます。

周りで始める人が増えると、

「自分も何かやらないと遅いのでは」

と感じることもあります。

でも、最初に決めたいのは、何を買うかではありません。

まず考えたいのは、

「そのお金を、いつ、何のために使うのか」

です。

近いうちに使うお金と、10年、20年先まで使わないお金では、同じように考える必要はありません。

この記事の結論

資産形成を考える前に、まずお金を

急なときに使うお金。
数年以内に使う予定のお金。
長い間使う予定がないお金。

に分けてみます。

そのうえで、

何のためのお金なのか。
いつ使うのか。
毎月いくらなら無理なく回せるのか。
一時的に価値が下がっても待てるのか。

を確認する。

商品や証券会社を選ぶのは、そのあとでも構いません。

まず「資産形成をしたい理由」を考える

資産形成を考える理由は、人によって違います。

たとえば、

  • 老後に備えたい
  • 将来の生活に余裕を持ちたい
  • 貯金だけでいいのか不安
  • 長い時間をかけてお金を準備したい
  • 周りが始めているので気になっている

などがあります。

ここで一度、

「自分は何のために資産形成をしたいのか」

を考えてみます。

老後のためなのか。
将来の選択肢を増やしたいのか。
ただ「やらないと損な気がする」からなのか。

目的が違えば、準備する期間や必要な金額も変わります。

周りがやっているからという理由だけで、急いで始める必要はありません。

そのお金は、いつ使う?

資産形成を考えるときに、最初に分けたいのが「使う時期」です。

近いうちに使う予定のお金

たとえば、

  • 引っ越し
  • 車の購入
  • 結婚
  • 住宅関連の費用
  • 数年以内に予定している大きな支出

などがあります。

使う時期が近いお金は、必要になったときに使えることが重要です。

値動きのある方法を利用するなら、使う直前に金額が減っている可能性も考える必要があります。

急なときに備えるお金

収入が一時的に途切れたり、予想していなかった支出が発生したりしたときに使うお金です。

これも、

必要になったときに取り出せること

を重視して考えます。

長い間使う予定がないお金

10年、20年先など、すぐには使う予定がないお金もあります。

こうしたお金について、長期的な資産形成を考える余地が出てきます。

「投資できるお金はいくらあるか」ではなく、「長期間使わなくても困らないお金はいくらあるか」

と考えると、整理しやすくなります。

資産形成の前に、手元のお金を確認する

資産形成を始める前に、一度現在の家計も確認してみます。

見たいのは、

  • 現在の貯蓄
  • 毎月の生活費
  • 急な出費に備えられるお金
  • 近いうちに予定している大きな支出
  • 毎月どのくらいお金が残っているか

です。

たとえば、毎月の家計が赤字なのに、

「資産形成をしなければ」

と無理に積立額を増やしても、生活が苦しくなれば続けにくくなります。

まず家計を整える。
急なときに使うお金を考える。
近い将来に使う予定のお金を分ける。

そのあとに残る、長期で使えるお金を資産形成の候補として考える。

という順番があります。

大きな金額より、無理なく続けられる金額を見る

資産形成について調べていると、

「毎月3万円」
「毎月5万円」
「できるだけ多く積み立てる」

といった数字を見ることがあります。

でも、大きな金額を入れること自体が目的ではありません。

たとえば、

月1万円なら生活を変えずに続けられる。

でも月3万円にすると、毎月の生活費が足りなくなる。

という状態なら、最初から3万円を出す必要はありません。

「いくら出せるか」ではなく、「いくらなら無理なく続けられるか」

で考えてみます。

収入や生活が変われば、あとから金額を見直すこともできます。

「増える可能性」と「減る可能性」をセットで考える

投資を伴う資産形成では、お金が増える可能性があります。

一方で、

一時的に価値が下がることもあります。

ここは、必ずセットで考えておきたいところです。

たとえば、

来年使う予定の100万円が、一時的に80万円になったら困る。

というお金なら、値動きのある方法に回していいのか慎重に考える必要があります。

反対に、

10年、20年以上使う予定がなく、途中で金額が上下してもすぐには使わない。

というお金なら、考え方は変わります。

値下がりする可能性があるとき、自分はそのまま待てるのか。

そこまで含めて考えることが大切です。

「何を買うか」より「どのくらい続けるか」を先に考える

資産形成を始めようとすると、

「どの商品がいい?」
「どの証券会社がいい?」
「何を買えばいい?」

というところから調べたくなります。

でも、その前に、

  • 何のために準備するのか
  • 毎月いくらなら続けられるのか
  • 何年くらい使わない予定なのか
  • 途中で使う可能性はないか
  • 値下がりしたときにも続けられそうか

を確認してみます。

商品選びが重要ではないということではありません。

ただ、

自分がどんな条件で資産形成をしたいのかが分からなければ、商品同士を比べる基準も作りにくくなります。

まず自分側の条件を決めてから、制度やサービスを比較します。

NISAや証券口座を見る前に、自分の条件を作る

長期的な資産形成を考え始めると、NISAなどの制度や証券会社について調べることもあると思います。

そのときも、

「みんなが使っているから」

だけで決めるのではなく、

  • 自分は何のために利用するのか
  • どのくらいの金額を扱う予定なのか
  • どんな商品を扱いたいのか
  • 手数料やサービス内容はどうなっているか
  • 自分にとって使いやすいか

などを確認します。

証券会社や金融商品を選ぶときは、各社の公式情報や最新の制度内容を確認し、自分の目的やリスク許容度に合うかを判断することが大切です。

証券口座を作ること自体が、資産形成のゴールではありません。

自分が考えた資産形成を実行するために、必要なサービスを選ぶ。

その順番で考えます。

資産形成の方法は一つではない

将来のお金を準備する方法は、一つだけではありません。

たとえば、

  • 現金として貯める
  • 長期で積み立てる
  • 投資商品を利用する
  • 収入そのものを増やす

などがあります。

また、金融資産とは別ですが、

スキルや学びにお金を使い、将来の収入を増やすことも、将来のお金を考えるうえでは一つの選択肢です。

どれか一つだけを選ばなければいけないわけでもありません。

目的によって、貯蓄するお金、長期で運用するお金、自分に使うお金を分ける。

という考え方もできます。

「やらないリスク」と「やるリスク」の両方を見る

資産形成については、

「投資しないと損」

といった言い方を見かけることがあります。

でも、判断するときは片方だけを見るのではなく、両方を比べたいところです。

資産形成をしない場合に考えたいこと

  • 現金中心で持ち続けることをどう考えるか
  • 長期でお金を増やす機会を持たないことをどう考えるか
  • 将来必要になる金額を貯蓄だけで準備できそうか

投資を伴う資産形成をする場合に考えたいこと

  • 元本が減る可能性がある
  • 価格が上下する
  • 商品や仕組みを理解する必要がある
  • 手数料などのコストがかかる場合がある
  • 値動きによって不安になることがある

どちらにも考えるべきことがあります。

「やれば安心」「やらなければ損」と決めつけず、自分にとってどちらのリスクを取れるのかを見る。

それも選ぶための材料になります。

資産形成を始める前に確認してみる

ここまでを、一度自分の状況に当てはめてみます。

確認すること 自分に聞いてみること
目的 何のために準備するお金なのか
使う時期 いつ頃使う予定なのか
手元のお金 急な出費への備えはあるか
毎月の余裕 生活を変えずにいくら回せるか
期間 どのくらい使わずに続けられるか
値動き 一時的に金額が減っても待てるか
理解 自分が何を利用しているのか説明できるか

全部に答えられなくても構いません。

分からないところがあれば、そこを調べてから決めることもできます。

商品を探す前に、自分が何を求めているのかを整理する。

その方が、情報を見たときにも比較しやすくなります。

よく分からないものには、急いでお金を入れない

資産形成について調べていると、魅力的に見える情報が出てくることがあります。

特に、

  • 必ず儲かる
  • ほとんどリスクがない
  • 今すぐ始めないと損をする
  • 誰でも簡単に増やせる
  • 何もしなくても大きく増える

といった強い言葉を見たときは、一度確認する時間を取ります。

何で利益が出るのか。
どんなときに損をするのか。
どんな費用がかかるのか。

が分からないまま、焦ってお金を入れる必要はありません。

自分が仕組みを説明できないものなら、理解してから判断する。

それくらいの距離を取って考えます。

最初に決めた方法を、ずっと続けなくてもいい

資産形成を始めても、その後の生活は変わります。

収入が増えることもあります。
支出が増えることもあります。
大きなお金が必要になることもあります。

そうなれば、毎月回せる金額も変わります。

最初に決めた金額や方法を、一生変えずに続ける必要はありません。

家計や将来の予定が変わったら、資産形成も一緒に見直します。

長く続けるものだからこそ、その時々の生活に合わせて調整できる状態にしておきます。

次に何を見ればいい?

資産形成について考える前提を整理したら、今の自分に必要なところをもう少し詳しく見てみます。


まず手元にいくら必要か考えたい
貯蓄の判断材料を見る →


将来何にお金が必要か整理したい
将来のお金の考え方を見る →


毎月のお金の流れを整えたい
家計・固定費の見直しを見る →


資産形成に回せる余裕を増やしたい
小さく収入を増やす方法を見る →


本業の収入そのものを増やしたい
昇給・年収アップの判断材料を見る →

まとめ

資産形成を始めようと思ったとき、最初から商品や証券会社を決める必要はありません。

まず、

そのお金を、いつ、何のために使うのかを分ける。

急なときに使うお金。
数年以内に使う予定のお金。
長い間使う予定がないお金。

そして、

今の家計や貯蓄を確認して、無理なく続けられる金額を考えます。

投資を伴うなら、

増える可能性だけでなく、減る可能性も受け入れられるお金なのかを見る。

その条件が整理できてから、制度や証券会社、商品を比較しても遅くありません。

資産形成は、始めること自体が目的ではありません。

自分が将来使うお金を、自分に合う方法で準備すること。

そのための選択肢として考えてみます。

まずは、「いつ使うお金か」を分ける。

近いうちに必要なお金と、長く使わないお金を分けてから、自分に合う準備方法を考えてみましょう。

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