今の会社に、大きな不満があるわけではない。
仕事もそれなりにできるようになった。
人間関係も悪くない。
毎月給料も入ってくる。
それでも、ときどき、
「5年後もここにいるのかな」
と思うことがあります。
転職したいと決めているわけではない。
今すぐ辞めたいわけでもない。
ただ、このまま何となく続けていていいのかは少し気になる。
そんなときは、「辞めるか、残るか」を急いで決めるより、今の会社に5年いた場合に何が変わりそうかを一度考えてみると、これからの選択肢を整理しやすくなります。
この記事の結論
5年後も今の会社にいること自体が、良い・悪いという話ではありません。
確認したいのは、
- 5年後、どんな仕事をしていそうか
- 収入や役職はどうなっていそうか
- 今より何ができるようになっていそうか
- 今の不満は減りそうか、残りそうか
- その未来を自分が選びたいと思えるか
ということです。
今の会社に残る。
社内で違う仕事を目指す。
外の会社を見る。
新しいことを学ぶ。
5年後を考える目的は、未来を正確に予想することではなく、今の自分にどんな選択肢があるのかを確認することです。
「辞めたい」と思っていなくても、キャリアは考えていい
キャリアについて考えるのは、
「会社を辞めたくなったとき」
だけではありません。
むしろ、
今の仕事に大きな問題がないときほど、何となく同じ環境を続けることがあります。
もちろん、それで満足しているなら無理に変える必要はありません。
ただ、
- この仕事をずっと続けるのかな
- 今の会社でどこまで給料が上がるんだろう
- この経験は他の会社でも使えるのかな
- 管理職になりたいわけではないけれど、その先はどうなるんだろう
と少しでも気になるなら、一度整理しておく意味はあります。
「転職するか」ではなく、
「このまま続けた先に何があるか」
を見るところから始めます。
1|5年後も仕事内容は今と同じ?
まず考えたいのは、仕事内容です。
今の会社に5年いたら、自分はどんな仕事をしているでしょうか。
たとえば、
- 今と同じ仕事を続けている
- より大きな案件を任されている
- 後輩を育てる立場になっている
- チームを管理している
- 別の部署へ異動している
- 専門性の高い仕事をしている
などが考えられます。
会社の先輩を見ると、ある程度イメージできることもあります。
5歳くらい上の人は、どんな仕事をしているでしょうか。
その姿を見て、
「自分もそこを目指したい」
と思うのか。
それとも、
「自分は少し違う方向に行きたい」
と思うのか。
ここは大きな判断材料になります。
2|5年後の年収や役職を想像してみる
仕事内容と一緒に、待遇も見てみます。
今の会社で5年働き続けた場合、
- 年収はいくらくらいになりそうか
- どの役職まで進みそうか
- 昇給はどのくらいあるか
- 賞与や手当はどう変わりそうか
を確認します。
正確な金額が分からなくても構いません。
社内の等級制度や求人情報、少し上の役職の待遇などから、大まかな方向は見えることがあります。
たとえば、
5年後には責任がかなり増えるのに、収入はほとんど変わらない。
という見通しなら、その条件を自分がどう感じるか考えてみます。
逆に、
今は給料に少し不満があっても、数年後に昇進や昇給が見込めるなら、残る理由になるかもしれません。
現在の年収だけではなく、「この会社に残った場合の年収の伸び方」まで見ると、判断しやすくなります。
3|5年後、自分には何が残っている?
次に考えたいのは、会社ではなく自分の変化です。
今の仕事をあと5年続けたとき、
自分には何が積み上がっているでしょうか。
- 専門知識
- 営業経験
- マネジメント経験
- 資格
- 業界知識
- 顧客との関係
- 企画や改善の経験
- 新しいツールを扱うスキル
など、仕事によっていろいろあります。
ここで大事なのは、
「5年働いた」
という年数だけではありません。
その5年間で、
「何ができるようになったか」
を説明できそうかを考えてみます。
今の仕事を続けることで、できることが増えていくなら、それは残る理由の一つです。
逆に、何年続けても仕事内容がほとんど変わらず、身につくものも増えそうにないと感じるなら、それも一つの判断材料になります。
4|今感じている小さな不満は、5年後に変わりそう?
今すぐ辞めたいほどではなくても、小さな不満があることもあります。
たとえば、
- 給料が少し低い
- 残業が多い
- 通勤が大変
- 仕事に飽きてきた
- 評価制度に納得できない
- 会社の将来が少し不安
などです。
ここで一度、
「これは5年後には変わっていそうか」
と考えてみます。
異動すれば変わることなのか。
役職が上がれば変わることなのか。
会社の仕組みそのものなので、今後もあまり変わらなそうなのか。
今は小さな不満でも、5年間積み重なれば大きく感じるものもあります。
一方で、今だけの一時的な問題なら、環境を大きく変えなくても解決する可能性があります。
5|「その5年後を選びたいか」で考える
ここまで整理したら、
5年後の自分を正確に予測しようとする必要はありません。
聞きたいのは、もっとシンプルです。
「今見えている5年後を、自分は選びたいと思うか」
です。
たとえば、
今より仕事ができるようになっていて、収入も上がり、任される仕事も面白そう。
そう思えるなら、今の会社に残ることは十分選択肢になります。
一方で、
5年後も同じ仕事、同じ不満、ほとんど変わらない待遇。
という未来しか見えないなら、
今すぐ辞めなくても、別の可能性を見ておく意味はあります。
未来は「残る・転職する」の2択ではない
5年後を考えると、
「じゃあ転職した方がいいの?」
となりがちですが、選択肢はそれだけではありません。
| 選択肢 | こんなときに考えやすい | 次に確認したいこと |
|---|---|---|
| 今の会社で続ける | 今後の成長や待遇の変化が見えている | 昇進・昇給・次に任される仕事 |
| 社内で違う道を探す | 会社には残りたいが、今の仕事を続けたいとは限らない | 異動・社内公募・職種変更の可能性 |
| 新しいことを学ぶ | 今すぐ環境を変えずに選択肢を増やしたい | 今後使いたいスキル・経験 |
| 外を見る | 今の会社だけでは選べる未来が少ないと感じる | 同じ経験で応募できる仕事や条件 |
| 今は決めない | まだ情報が足りない | 社内と外の情報をもう少し集める |
会社に残りながら求人を見ることもできます。
今の仕事を続けながら勉強することもできます。
異動してから考え直すこともできます。
「今の会社に一生いるか、すぐ転職するか」
まで大きく考えなくて構いません。
外を見るなら、転職を決める前でいい
今の会社に残った未来しか知らないと、それが良いのか悪いのか判断しにくいことがあります。
そんなときは、外の求人を少し見るだけでも比較材料になります。
たとえば、
- 今の経験で応募できる仕事
- 同じ職種の年収
- 別の業界で使える経験
- 自分より少し上のポジション
- 今とは違う働き方
を見てみます。
外を見た結果、
「やっぱり今の会社に残った方がいい」
と思うこともあります。
それも立派な判断です。
外を見ることと、転職を決めることは分けて考えられます。
逆に「残りたい理由」も書いてみる
キャリアを考えると、不満ばかりを探してしまうことがあります。
でも、今の会社に残る理由も同じように確認しておきます。
たとえば、
- 仕事内容が好き
- 人間関係がいい
- 休みを取りやすい
- 残業が少ない
- 福利厚生が充実している
- 通勤しやすい
- 会社や仕事に安心感がある
- これから経験したい仕事がある
などです。
外の会社へ行けば、年収が上がる代わりに失うものもあるかもしれません。
残る理由と外を見る理由の両方を並べた方が、判断はしやすくなります。
まずやるなら「5年後の仮説」を3つ書く
まだ何をすればいいか分からないなら、難しいキャリアプランを作る必要はありません。
まず、次の3つだけ書いてみます。
- このまま今の仕事を5年続けた自分
- 今の会社で違う仕事をしている自分
- 別の会社で働いている自分
それぞれについて、
- どんな仕事をしているか
- 収入はどうなっていそうか
- 何ができるようになっているか
- 今より良くなっていてほしいこと
を簡単に書いてみます。
正解を書く必要はありません。
3つを並べるだけでも、
「自分は今の会社を辞めたいわけではなく、もっと仕事を広げたいのかもしれない」
「収入が変わらないことが一番気になっている」
「今とは違う働き方をしてみたい」
といった、自分が気にしていることが見えてくる場合があります。
まとめ
今の会社に大きな不満がなくても、
「5年後もここにいるのかな」
と思うことはあります。
そんなときは、すぐに辞める・残るを決めるのではなく、
- 5年後の仕事内容
- 年収や役職
- 身につく経験やスキル
- 今の不満がどうなっているか
- その未来を自分が選びたいか
を一度考えてみます。
今の会社で続けるのも選択。
社内で別の道を探すのも選択。
学びながら準備するのも選択。
外を見るのも選択です。
5年後を考えるのは、5年後の答えを今日決めるためではありません。
今の自分が選べる道を、少し増やしておくためです。
あわせて確認したい判断材料
5年後を、今決めなくていい。
ただ、今と同じ道をそのまま進んだ先と、ほかの道を選んだ場合の両方を少し知っておく。それだけでも、これから何かを選ぶときの判断材料になります。

