最近、帰る時間が遅い。
忙しい日は仕方ないと思っていたけれど、
気づけばそれが普通になっている。
平日は仕事をして帰って寝るだけ。
休日も疲れていて、あまり何もする気になれない。
そんな状態が続くと、
「この会社、このまま続けていていいのかな」
と考えることがあります。
ただ、残業が多いからといって、すぐ転職する必要があるとは限りません。
一時的に忙しいだけなのか。
部署を変えれば減るのか。
会社そのものが残業を前提にしているのか。
まずは、自分の残業がなぜ多いのかを分けて考えてみましょう。
この記事の結論
残業が多い会社を続けるか迷ったときは、残業時間だけで決めるのではなく、次の5つを確認してみます。
- 残業は一時的なのか、いつも多いのか
- なぜ残業が発生しているのか
- 今後減る見込みがあるのか
- 残業を含めた待遇に納得できるか
- 外にはどんな働き方があるのか
今の会社で改善できるなら、残る選択もあります。
一方で、何年も同じ状態が続き、今後も変わる見込みがないなら、外の働き方と比較してみる意味があります。
まず、実際にどのくらい残業している?
「最近ずっと残業している」
と感じていても、実際の時間を正確に把握していないことがあります。
まずは直近3か月くらいについて、
- 毎月の残業時間
- 一番遅くなった日
- 定時で帰れた日数
- 休日に仕事をした日
- 家に仕事を持ち帰った時間
を確認してみます。
勤怠記録や給与明細などで確認できるなら、感覚ではなく実際の数字を見てみましょう。
たとえば、
「毎日かなり働いている気がしたけれど、月15時間くらいだった」
ということもあれば、
「月20時間くらいだと思っていたら、実際は40時間を超えていた」
ということもあります。
判断する前に、まず現在地を知ります。
1|残業は「一時的」?それとも「いつも」?
同じ月40時間の残業でも、理由によって意味は変わります。
たとえば、
- 繁忙期だけ増える
- 大きな案件の期間だけ増えている
- 人が辞めて一時的に仕事が集中している
- 毎月ほぼ同じくらい残業している
- 年間を通して忙しい
では状況が違います。
毎年決まった繁忙期だけ残業が増え、それ以外は定時に近い時間で帰れている。
そういう働き方なら、自分が納得できるかどうかを考えればいいかもしれません。
一方で、
「繁忙期が終われば落ち着く」
と言われ続けながら、一年中忙しい。
という状態なら、一時的な問題とは言いにくくなります。
「今月何時間残業したか」だけではなく、「それが何か月続いているか」も一緒に見てみましょう。
2|なぜ残業が多いのかを分けてみる
次に確認したいのは、残業が発生している理由です。
残業が多い原因は一つとは限りません。
たとえば、
- そもそも仕事量が多い
- 人手が足りない
- 特定の人に仕事が集中している
- 会議や社内調整が多い
- 業務の進め方が非効率
- 急な依頼が頻繁に入る
- 残業することが当たり前になっている
- 自分がまだ仕事に慣れていない
などがあります。
ここを分けると、改善できる可能性も見えてきます。
自分の仕事の進め方で減らせそうな場合
まだ仕事に慣れていない、優先順位をつけるのが難しい、効率のいい方法を知らない。
こうした場合は、経験や工夫によって残業が減る可能性があります。
部署の人手不足が原因の場合
仕事量に対して人数が足りていない場合、自分だけが効率化しても限界があります。
採用予定があるのか、人員配置が変わるのかなども確認したいところです。
会社の文化として残業が多い場合
仕事が終わっていても帰りにくい。
遅くまで働いている人ほど評価される。
定時後に会議が入ることが普通になっている。
こうした状態なら、個人の工夫だけでは変えにくいことがあります。
3|今後、残業は減りそう?
原因が分かったら、
「この状態は今後変わりそうか」
を考えます。
たとえば、
- 新しい人が入る予定がある
- 来月には大きな案件が終わる
- 業務改善が進んでいる
- 異動すれば残業が少なくなる
- 担当を変更できる可能性がある
なら、今の会社にいながら状況が変わる可能性があります。
逆に、
- 何年も同じ状態が続いている
- 人が辞めても補充されない
- 残業削減の話は出るが何も変わらない
- 上司もさらに長時間働いている
- 部署を変えても似たような働き方
なら、今後も大きくは変わらない可能性があります。
「今つらいか」だけでなく、
「半年後や1年後に変わっているイメージを持てるか」
まで見てみます。
残業時間にはルールもある
日本では、労働基準法上の法定労働時間は原則として1日8時間・週40時間です。
会社がこれを超えて時間外労働をさせる場合には、36協定などの手続きが必要です。
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間とされています。
ただし、働き方や業種、特別な事情などによって扱いが異なる場合もあります。
残業がかなり多い状態が続いているなら、
- 勤怠が正しく記録されているか
- 残業代がどう計算されているか
- 会社の就業規則や36協定がどうなっているか
も確認しておきたいところです。
この記事では転職するかどうかの判断材料を中心に扱いますが、労働時間そのものに疑問がある場合は、厚生労働省などの公的な情報も確認してください。
4|残業を含めた待遇に納得できる?
残業時間だけではなく、その働き方と待遇をセットで見てみます。
たとえば、
月30時間残業しているけれど、
- 仕事内容が好き
- 残業代がきちんと支給される
- 年収には納得している
- 仕事を通じて経験を積めている
- 繁忙期以外は休みを取りやすい
という人もいるかもしれません。
その働き方を自分が納得して選んでいるなら、残業があることだけで会社を変える必要はありません。
反対に、
- 残業が多い
- 給料も低い
- 昇給も期待できない
- 仕事にも興味が持てない
- 休日も疲れて終わる
という状態なら、残る理由は少なくなってきます。
「残業が何時間なら辞める」
という一つの数字だけではなく、
時間と待遇のバランスを見てみます。
残業で失っている時間も考えてみる
残業が増えると、減るのは自由時間です。
月20時間なら、単純に考えて月に約20時間。
月40時間なら約40時間を、通常の勤務時間とは別に仕事へ使っています。
その時間があることで、
- 睡眠時間が減っている
- 平日に何もできない
- 家族との時間が減っている
- 勉強する時間が取れない
- 副業や趣味を始められない
- 休日が疲労回復だけで終わる
ということもあります。
年収だけを見ると悪くなくても、
「自分の時間をどのくらい仕事に使っているか」
まで含めると見え方が変わることがあります。
残業代があるから続ける、も一つの選択
残業が多い一方で、
「残業代がなくなると収入がかなり減る」
という人もいます。
この場合は、
残業を減らすことと収入を維持することを分けて考える必要があります。
たとえば今、
基本給だけなら年収400万円。
残業代を含めて年収470万円。
という状態なら、
「年収470万円の会社」
として外と比べるだけでは十分ではありません。
同じ470万円でも、
残業が少ない会社で470万円なのか。
毎月かなり残業して470万円なのか。
では条件が違います。
転職先を見るときも、
基本給・固定残業代・想定残業時間などを分けて確認します。
5|外には、どんな残業時間の会社がある?
今の会社で残業が減る可能性を確認したら、外の条件も見てみます。
ここでも、
求人を見ること=転職を決めること
ではありません。
自分と近い仕事内容の求人をいくつか見ると、
- 想定残業時間
- 勤務時間
- 年間休日
- リモートワークの有無
- フレックスタイム
- 年収
- 固定残業代の有無
などを比較できます。
その結果、
「同じ仕事でも月残業10時間程度の求人が結構ある」
と分かるかもしれません。
逆に、
「この業界では今と近い働き方が多い」
と分かることもあります。
外の条件を知ることで、今の残業が自分にとって受け入れるべきものなのか、変えられる可能性があるものなのかを考えやすくなります。
「残業が少ない」だけで転職先を選ばない
残業がつらい状態では、
「とにかく残業が少ない会社へ行きたい」
と思うことがあります。
ただ、転職先を見るときはほかの条件も確認します。
- 仕事内容
- 年収
- 昇給
- 休日
- 勤務地
- 通勤時間
- リモートワーク
- 会社の将来性
- 身につけられる経験
たとえば残業が月30時間減っても、通勤が毎日1時間増えるなら、自由時間は思ったほど増えないかもしれません。
残業だけではなく、
「仕事に使う時間全体」
で比べると判断しやすくなります。
今の会社でできることも確認する
転職する前に、今の会社で残業を減らせる可能性も確認してみます。
たとえば、
- 業務量について上司へ相談する
- 担当を見直す
- 仕事の優先順位を確認する
- 残業の少ない部署への異動を調べる
- リモートワークやフレックス制度を確認する
- 業務の進め方を周囲に聞く
などです。
会社を辞めなくても、働き方だけ変えられるなら、それも一つの選択肢です。
ただし、
何度相談しても変わらない。
会社全体で残業が多い。
残業を減らそうとすると評価が下がる。
という状況なら、社内だけで解決するのは難しくなります。
今と外を比べてみる
| 比べるもの | 今の会社 | 外を見るとき |
|---|---|---|
| 残業時間 | 直近3か月の実績 | 求人・面接などで確認 |
| 年収 | 残業代を含むか分ける | 基本給・固定残業代も確認 |
| 休日 | 実際の休みやすさ | 年間休日・休暇制度 |
| 勤務時間 | 実際に家を出て帰るまで | 始業・終業・フレックス |
| 仕事内容 | 現在の満足度 | 仕事内容が変わりすぎないか |
| 今後 | 残業が減る見込み | 希望する働き方を続けられそうか |
こんな状態なら、今の会社で様子を見る余地がある
- 残業が一時的に増えているだけ
- 数か月以内に仕事量が減る見込みがある
- 人員補充の予定がある
- 部署変更などで改善できる
- 仕事内容や待遇には満足している
- 自分の仕事の進め方で改善できる余地がある
この場合は、
「いつまで様子を見るか」
を決めておく方法もあります。
たとえば、
「新しい人が入る3か月後まで見る」
「次の繁忙期が終わるまで確認する」
などです。
こんな状態なら、外を見る理由は大きくなる
- 何年も残業が多い状態が続いている
- 人が辞めても補充されない
- 相談しても状況が変わらない
- 会社全体で長時間労働が当たり前になっている
- 今後も改善する見込みが見えない
- 残業以外の待遇にも不満がある
- 自分の時間をもっと優先したいと思っている
こうした状態なら、
すぐ退職届を書く必要はなくても、
外の会社がどんな条件なのか確認しておく価値はあります。
まずやるなら、直近3か月を並べる
まだ転職するかどうかまで考えられないなら、まず直近3か月だけ整理してみましょう。
- 残業時間
- 残業が多かった理由
- 一番帰りが遅かった時刻
- 休日に仕事をした回数
- 残業代
- 睡眠や自由時間への影響
- 今後減る予定があるか
これを並べるだけでも、
「たまたま今月だけ忙しかった」
のか、
「ずっとこの働き方を続けている」
のかが見えやすくなります。
そのあとに、同じような仕事内容の求人を5件ほど見てみます。
今と外の両方が分かれば、
残るかどうかをもう少し具体的に考えられます。
まとめ
残業が多い会社を続けるか迷ったときは、
単純に残業時間だけで決める必要はありません。
まず、
- 一時的なのか、いつもなのか
- なぜ残業しているのか
- 今後減る可能性があるのか
- 時間と待遇のバランスに納得できるか
- 外にはどんな働き方があるのか
を確認します。
今の会社で改善できるなら、残る。
部署や働き方だけ変える。
しばらく様子を見る。
外の会社を比較してみる。
選択肢はいくつもあります。
大切なのは、
「残業が多いから辞める」
と急いで決めることではなく、
「この働き方をこの先も続けたいか」
を考えられるだけの材料を集めることです。
あわせて確認したい判断材料
残業時間だけで、答えを出さなくていい。
なぜ残業しているのか。今後変わるのか。その時間と引き換えに何を得ているのか。今と外を比べてから、この働き方を続けるか考えてみましょう。

