「あなたの強みは何ですか?」
そう聞かれると、急に答えられなくなることがあります。
特別な資格があるわけでもない。
大きな実績を出した覚えもない。
今の仕事も、毎日普通にやっているだけ。
それでも、何年か働いていれば、できるようになったことや任されるようになったことはあるはずです。
ただ、それを自分では「強み」と思っていないことがあります。
転職する予定がなくても、自分が何をしてきたのかを言葉にできると、
今の仕事を伸ばす。
違う仕事を考える。
外の会社を見る。
といったときの判断材料になります。
今回は、「自分には強みがない」と感じるときに、これまでの仕事から使える経験を見つける方法を考えます。
この記事の結論
自分の強みを探すときは、「得意なことは何?」と考えるより、これまで実際にやったことから探した方が見つけやすくなります。
見るのは、主に次の5つです。
- 以前よりできるようになったこと
- 人からよく頼まれること
- 自分なりに工夫していること
- 困った場面で対応できたこと
- ほかの仕事でも使えそうな経験
強みは、誰よりも優れている必要はありません。
「自分はどんな場面で、何をしてきた人なのか」
を説明できるところまで整理できれば十分です。
強みは「すごい実績」でなくていい
強みという言葉を聞くと、
「営業成績1位」
「大きなプロジェクトを成功させた」
「難しい資格を持っている」
のような、分かりやすい成果を想像することがあります。
もちろん、それも強みの一つです。
でも、仕事で使える強みはそれだけではありません。
たとえば、
- 説明が分かりやすい
- 細かいミスによく気づく
- 予定を組むのが得意
- 困っている人から相談される
- 仕事を最後まで止めずに進められる
- 初めての作業でも調べながら対応できる
といったものもあります。
自分では普通にやっているので、気づきにくいだけかもしれません。
1|3年前と比べて、何ができるようになった?
現在の自分だけを見ても、強みは見つけにくいことがあります。
そこで、少し前の自分と比べてみます。
たとえば、
- 一人で担当できる仕事が増えた
- 顧客への説明を任されるようになった
- 後輩へ教えるようになった
- 判断を任される場面が増えた
- 資料を一から作れるようになった
- トラブルが起きても対応できるようになった
などです。
今では当たり前でも、
入社したばかりの自分にはできなかったことがあるはずです。
その変化は、自分が積み上げてきた経験です。
「何が得意か」が分からなければ、「昔はできなかったけれど、今は普通にできること」を探してみましょう。
2|人から何を頼まれることが多い?
自分の評価より、周りの行動を見る方法もあります。
職場で、
「これちょっと見てもらえる?」
と頼まれることはないでしょうか。
たとえば、
- 文章の確認
- 資料の修正
- Excelの操作
- 顧客への説明
- 新人への教育
- トラブル時の対応
- スケジュール調整
などです。
何度も同じことを頼まれるのであれば、
周りから、
「この人なら任せられる」
と思われている可能性があります。
自分では強みだと思っていないものほど、周囲から見ると分かりやすいことがあります。
3|結果だけでなく「どうやったか」を見る
仕事の経験を振り返るとき、
成功したか失敗したかだけを見ないようにします。
たとえば、
「大きな成果は出していない」
と思っていても、
その仕事を進めるために、
- 情報を集めた
- 関係者へ確認した
- 優先順位を決めた
- 分かりやすい資料を作った
- 問題が起きたときに調整した
という行動があるかもしれません。
この「どうやったか」の部分は、違う仕事でも使えることがあります。
会社の商品や社内ルールについて詳しいだけでは、別の会社では使えない場合があります。
でも、
情報を整理する。
相手へ説明する。
関係者を調整する。
という経験なら、別の環境でも使える可能性があります。
4|うまくいかなかった仕事からも探せる
強みを探すとなると、成功した経験ばかり探しがちです。
でも、
失敗した仕事や大変だった仕事から見つかるものもあります。
たとえば、
納期に間に合わなくなりそうだった。
そのとき、
- 早めに周囲へ相談した
- 優先順位を組み直した
- ほかの人へ協力を依頼した
- 顧客へ状況を説明した
ことで、大きな問題になる前に対応できた。
この場合、
「予定通りできなかった」
だけではなく、
「問題が起きたときにどう動いたか」
も経験です。
強みは、完璧に仕事ができた場面だけにあるわけではありません。
5|経験を「状況・行動・結果」の3つにする
強み候補が見えてきたら、単語だけで終わらせず、具体的な経験にします。
使うのは、
- どんな状況だったか
- 自分が何をしたか
- その結果どうなったか
の3つです。
たとえば、
「調整力があります」
だけでは、少し分かりにくいです。
代わりに、
複数部署が関わる案件で予定が合わなかった。
それぞれの条件を確認してスケジュールを組み直した。
その結果、予定していた日までに進行できた。
とすると、
自分が何をしてきた人なのかが見えやすくなります。
「強み」を一言にまとめなくてもいい
自己分析をすると、
「私の強みは○○です」
という一言を作りたくなることがあります。
でも、最初からきれいな言葉にする必要はありません。
たとえば、
- 説明が必要な場面を任されることが多い
- 仕事が止まりそうなときに調整することが多い
- 新しい人へ仕事を教えることが多い
という具体的な経験が3つ見つかれば、それだけでも十分な材料になります。
そこから後で、
「説明する力」
「調整する力」
「人に教える力」
などとまとめることができます。
一人で棚卸ししにくいなら、診断を使う方法もある
ここまで考えても、
「やっぱり自分ではよく分からない」
ということがあります。
自分が毎日やっていることほど、
どこが特徴なのか自分では判断しにくいからです。
そんなときは、
キャリア診断などを使って、別の角度から自分の経験や志向を整理してみる方法もあります。
診断の目的は、
「あなたの正解はこれです」
と決めてもらうことではありません。
自分だけでは思いつかなかった選択肢や、自分の経験を見るための質問を増やすために使います。
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自分だけでキャリアを整理しにくい場合は、「MyVision」のAIキャリア診断を使ってみる方法もあります。
これまでの経験や今後の希望を入力して、自分のキャリアを別の角度から見てみたい人向けの選択肢です。
診断結果だけで転職や仕事を決めるのではなく、自分で整理した経験と照らし合わせながら、判断材料の一つとして使うのがよいでしょう。
自分のキャリアを整理してみる MyVisionのAIキャリア診断を試す →診断結果を、そのまま「自分の答え」にしない
診断を使うと、
自分のタイプや向いている仕事、キャリアの候補などが表示されることがあります。
そこで、
「診断でこう出たから、この仕事が向いている」
と決める必要はありません。
見るなら、
- 自分でも納得できる部分
- 意外だった部分
- 実際の経験と一致する部分
- もう少し調べてみたい仕事
を拾います。
たとえば、
「人へ説明する仕事が合いそう」
という結果が出たとします。
そこで、
実際に自分は後輩教育や顧客説明をよく任されていた。
という経験があれば、強み候補として考えやすくなります。
診断は、自分の経験を見直すきっかけとして使います。
自分を知る方法は、一つだけではない
| 方法 | 分かりやすいこと | 使い方 |
|---|---|---|
| 自分で経験を書き出す | 実際にやってきたこと | まず現在地を整理する |
| 周囲に聞く | 人からどう見られているか | よく頼まれることを確認する |
| キャリア診断を使う | 自分では気づきにくい傾向や候補 | 考える材料を増やす |
| 求人を見る | 実際に求められている経験 | 外で使えるか確認する |
どれか一つが正解ではありません。
自分で整理したものと、外から得た情報を重ねることで、自分の経験を少しずつ具体的にしていきます。
「強み」と「市場価値」は分けて考える
自分の強みが見つかったからといって、それがそのまま高い年収につながるとは限りません。
たとえば、
人に教えるのが得意。
という強みがあっても、
どんな仕事でそれが求められているのかによって評価は変わります。
ここから先、
「この経験は外ではどんな仕事に使えるのか」
まで知りたくなったら、求人や年収相場を見る段階です。
まず自分の経験を整理する。
そのあとに外の評価を見る。
この二つを分けて考えると、自己分析と市場価値調査が混ざりにくくなります。
まずやるなら「3つの仕事」を書く
いきなり自分の強みを10個考える必要はありません。
まず、
これまでの仕事で印象に残っているものを3つ選びます。
成功した仕事だけでなくても構いません。
それぞれについて、
- どんな状況だったか
- 自分は何をしたか
- 結果はどうなったか
- その経験で何ができるようになったか
を書きます。
3つを並べたとき、
毎回人への説明を担当している。
毎回問題が起きたときに調整している。
毎回数字を整理して判断している。
という共通点が見つかることがあります。
そこが、自分の強みを考えるスタート地点です。
強みが分かると、次に見るものが変わる
自分が何をしてきたのか分かると、
次に調べるものも少し具体的になります。
たとえば、
人へ説明する経験が多いなら、
その経験を使える仕事を探す。
データを整理する経験が多いなら、
それをさらに伸ばすために何を学ぶか考える。
調整する経験が多いなら、
別の会社ではどんな職種で使われているか見てみる。
というように、
「何となく転職する」
より、次の行動を選びやすくなります。
まとめ
「自分には強みがない」
と思ったときは、
無理に特別なものを探す必要はありません。
まず、
- 以前よりできるようになったこと
- よく頼まれること
- 仕事で工夫していること
- 問題が起きたときに対応した経験
- 別の仕事でも使えそうな行動
を振り返ります。
そして、
「状況・行動・結果」
まで具体的に書いてみます。
一人では見つけにくければ、
周りに聞く。
キャリア診断を使う。
求人を見てみる。
という方法もあります。
大切なのは、
きれいな「強み」を一言で作ることではありません。
自分がこれまで、どんな場面で何をしてきた人なのかを説明できるようになることです。
あわせて確認したい判断材料
強みは、探すより「振り返る」と見つかる。
特別な実績がなくても、何年か仕事をしてきた中には、以前よりできるようになったことがあります。まず3つの仕事を振り返って、自分がそこで何をしてきたのかを書いてみましょう。

